【FRANK WEDNESDAY】
Grace Jones writes her memoirs.

【FRANK WEDNESDAY】
Grace Jones writes her memoirs.

1980年代のアイコン、Grace Jonesの自伝。

Grace Jonesの事を知っている人は今どのくらいいるだろう。高度経済成長末期の1980年代、まだ経済的な天井が見えていないこの時代、浮かれ気分最高潮といった文化が世界各地で巻き起こる中、ファッション、アート、音楽等のシーンをまたぎ、時代を象徴するアイコンとして世界を席巻した彼女。写真を見た事がある人は多いと思うが、それが誰なのか、その実態を知る人はもはや少ないのでは。そんな彼女の歴史とここ最近の動向、そして彼女の自伝について。

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カリブ諸島のバイブスに影響を受けたヘビーなシンセサウンドに乗せてGrace Jones は「私は自伝を書くことはないだろう、私には何も書くことがないから…」とIsland Recordsから1981年にリリースされたアルバムNightclubbing中の一曲「Art Groupie」で語っている。このトラックは当時のIsland Recordsの社長Chris Blackwellがバハマ諸島に作った伝説的なCompass Point Studioで録音され、ジャマイカのリズム・マスター Sly & Robbie がプロデュースを担当している。

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JamaicaはSpanish Town 生まれの生粋のジャマイカ人である彼女は70年代にリリースした作品群に見られるDiscoサウンドから離れ、レゲエの影響を受けたポスト・パンク/ニューウェーヴとしてこの時変貌を遂げていき、Nightclubbingは彼女の代表作となった。

当時彼女は既にパリに渡って、ファンション界に足跡を残していたし、Studio54ではAndy Warholのミューズを務め、リリースした数枚のDiscoアルバムも成功させていたが、このアルバムでカルチャー、アート、ファッション、そして音楽をブレンドさせた事が彼女を世界的なスターダムへと押し上げた。

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そして自伝を書かないと歌ってから34年が経った今、自分では書かないけど、誰かが書くでしょ?とJonesは心変わりしたようだ。「Art Groupie」の一節からとった「I’ll Never Write My Memoirs」 というタイトルの待望の自伝が遂にリリースされるのだ。

Yves Saint Laurentの為のモデリング、Jessica Langeとのお泊まり会、ポップ・ミュージックの再定義、幾つもの映画への出演についてなど、興味をそそる内容ばかりで、ファン待望の未公開ストーリーが詰まったこの本はGallery Booksから発売される。勿論カバーの彼女の写真も御多分に洩れず、極めて美しい。

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自伝以外では、Sophie Fiennesの監督の元、7年間の制作期間を設け『Grace Jones: The Musical of My Life』 というイギリスBBCによるドキュメンタリーが制作されているようで、Billboard紙によると親密な日常映像と綿密に構成されたライブステージまでGrace Jonesのもつプライベートな世界と著名人としての世界をシネマティックに見せてくれる映像作品になっているという。

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1980年代のアート、音楽、ファッションカルチャーの中心的人物だった彼女が、今日も重要な意味を持っている事に全く驚きは無いが、今年は特に忙しい年を送っている。Studio54での想像を絶する体験、シュワルツネッガー主演映画「Conan」のセットで彼の首を絞めた時の事、70’ / 80’sのワイルド過ぎる話などが詰まった彼女の自伝が興味深い本である事は間違いない。

今年はGrace Jonesの驚異的な人生を、自伝と映画とでとても親密に感じる事が出来る特別な年なのだ。そしてまだ彼女のライブを見た事無い人は今年のAfropunkフェスがうってつけのチャンスだ。

Text by Robert Gordon
Curated and Translated by Akeem the Dream

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