【FRANK FRIDAY】
Kuma the Sureshot /
64SOURCES, and ASSAGIN

【FRANK FRIDAY】
Kuma the Sureshot /
64SOURCES, and ASSAGIN

フランクフライデーにも度々登場し、前回はDev Large氏の追悼ミックスを紹介したサンプリングソース・ミックス界の新たなマスターでありサンクラ(サウンドクラウド)・アイドル Kuma the Sureshotによる初フィジカルMIX-CDがアーカイブ・レーベル「PAY ME」からリリース。#フランクフライデー オリジナルインタビューもあるのでじっくりと読んでみて欲しい。

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Kuma the Sureshot / 64SOURCES, and ASSAGIN

90年代前半から中期に誕生したヒップホップ・クラシックスと言われる音源の多くはAKAIのサンプラー名機、伝説的な機材MPCシリーズを駆使して作られておりモノが多い。

ソウル、ファンク、ジャズ、ロック、ワールドミュージックなどトラックメイカー
それぞれがレコードの曲中から良いフレーズを探し出し、サンプラーへ録音し曲を作り出す。
細かい作業の話は別として、音源を機材に記憶させ、それを新たな曲として創り出す、サンプリングという魔法の様な手法はヒップホップをより新たなレベルへ引き上げた。
当然、その手法に魅せられた者はリリース作品の元ネタ、サンプリングソースを追求し、誰も使用してないサンプリング・ソースをも求めレコードをディギンするトラックメイカーやDJは未だに多い。
そして今回 PAYME 第一弾ミックスCDをリリースするKuma the Sureshotもその一人だろう。

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Kuma the Sureshotはトラックメイカー、DJを主な活動とし、近年ではサンプリングで作られた日本語ラップ(スチャダラパーMUROMAKI THE MAGICDev Large、etc,,,)楽曲とその元ネタをミックスする通称”ネタ振り”を軸とした大ヒットミックスシリーズ”JAPANESE SAMPLING SPORTS”をサウンドクラウド上へ投下し人気を博し続けている。


累計再生回数が20万を越える驚異的なミックスをサウンドクラウド上にフリーでアップしていた彼が、遂に、遂に初フィジカルミックスCDをリリースしたのだ。そのタイトル名は”64SOURCES, and ASSIGN”。内容としては日本のラップシーンにおけるゴールデンエラであり、Little Bird NationFunky GlamourKAMINARIK.O.D.P. それぞれが大活躍していた頃、つまりはさんピンCAMP ’96世代にド直球な日本語ラップ・クラシックス 64タイトルのサンプリング・ソースがセンス良く、スムースにミックスされている。

ジャンルで言えばジャズ、クロスオーバー、ソウル、ファンク、ワールド、和モノ等、、、所謂レアグルーブ定番、名盤が矢継ぎ早に展開していく。また彼の人気ミックスシリーズ”JAPANESE SAMPLING SPORTS”との違いは日本語ラップ曲をそのまま使用せず、MPCの16×4あるPADにアサイン(割り当て)された64の声ネタをパズルのピースの様にサンプリング・ソースへはめ込んでいるところだろう。この手法はDJやトラックに関して深く、長年に渡り考察し続けた結果が産み出したものであり、彼自身も敬愛する元ネタミックスのパイオニアであるMURO氏の“KING OF DIGGIN”シリーズに続く重要作品となるだろう。少しでも興味を抱いた方は是非、購入し聴いて頂きたい。

Kuma the Sureshot インタビュー

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■世間的にはMPCプレイヤーとかトラックメイカーってよりも最近だとDJのイメージの方が強いと思うから聴きますけど、DJを始めたきっかけは?

MPCプレイヤーのイメージってまだあるんですかね?まぁその話は置いといて。。最初の興味は、高校生の時にNHKでやってた清水ミチコさんがナレーターで、スチャダラパーに密着した番組「ヒーロー列伝 とっておきナイト」って番組があって、そこで、ニューミュージックセミナーのライブ映像が出るんだけど、それを見てからかな。ラップのライブ映像を初めて意識的に見たのが、そういう映像で。ラッパーの役割は判るけど、真ん中のシンコさんは、奥まった場所で、あれは何をやってるんだろう?でも音が出そうなのはここだよな。。。裏方っぽくてかっこいいぞ。って興味を持ち、同じようなタイミングで、僕の地元にDJ KRUSHさんが来るという機会があり、それを見に行って「あ、これやりたい」と思ってバイト代でDJセットを買った感じ。今話していて思い出してきたけど、その時KRUSHさん、ベスタックスのミキサーPMC-20SLを持ち込みで出番前、前のDJとの合間にさっとセッティングするし、ターンテーブルも出番前に縦置きから横置きに変えたり、「あぁ、DJとはこういう風にやるんだ」って、相当間違った影響を受けて、ラップの曲でへたくそなスクラッチをしたり、最初にDJやらせてもらう機会とか自分のミキサーを持ち込んだり、店のミキサーの方がスペックいいのに(笑)

■日本のラップにフォーカスしたミックスをサウンドクラウド上に沢山リリースしてるけど
サンプリング・ソースを用いた”SAMPLING SPORTS”シリーズを作ろうと思ったきっかけは?

5年ほど前に、今回のミックス「64SOURCES and ASSGIN」みたいなのをやろうとして作ってて、10分位作っては煮詰まり、また一から作り直す、、みたいなことを繰り返してて、収録したいネタを持ってなかったり、展開が面白く出来なかったりでなかなか出来なくて。そんなモヤモヤの妥協でネタ振りでミックスを作ってみたりしてて。その頃カルデラビスタ君がよく家に遊びに来てて、彼はDJミックスが大好きで、ミュージックラバーだし、同時に日本語ラップも大好きで、ミックスを聞いてもらったら「これ、すごいいい!!」と褒めてくれて。調子に乗って色んなラッパーの方に渡したりしたけど、そこは全く反応が無かったけど。(笑)けどまぁ、おかげで一定の需要はありそうななってのはわかって。内容的には、フリーで行くしかないな、、、と。
だから、「SAMPLING SPORTS」は、副産物というか、妥協の産物です。

■では今回リリースにあたって、”SAMPLING SPORTS”のシリーズではなく、
“64SOURCES and ASSGIN”を作ろうと思ったインスピレーションの経緯は?

僕はMUROさんの「KING OF DIGGIN’」とKEN SPORTさんの「ORIGINAL」というミックステープが大好きで、いつか知識や技術が追いつけば、こういうサンプリング・ソースのミックスをやりたいと思ってて。同時に、J.ROCCの「symdrome」っていうミックスも大好きで、全編ではないけど、声ネタをハメてるところがあって、そこがとても気持ちよくて。サンプリング・ソースのミックスで声ネタを気持ちよくハメれたら気持ちいいだろうなぁ~とか、そんな感じで作り始めたましたね。

■近年はPC上で作られたフリーミックスも多い中、アナログな手法で製作している印象があるけど、
今回の製作はどういった感じだったの? 作業工程、時間はどんな感じ?

かなりアナログな手法ですね。本線ミックス部分を一気に録音して、日本語ラップのフレーズをMPCのPADにアサインして、本線を再生しながら挿入ポイントをメモしながらPADをリアルタイムで叩く。
エフェクトもリアルタイムで操作して。ちょっとだけ気が遠くなる作業でした。PCのソフトを使えればもう少し楽に編集できるんだろうなぁ。。とか思いながら、未だにミックスはMTRだし(笑)
色々不便も制限もあるけど、その分できる範囲でアイデアを盛り込もうって構えになるから。自分には向いてるのかなぁと。
だけど、このミックスCDの特典を横尾くんとThe HOT100Dj’S名義で「PAGER ERA」って作ったじゃない?
あのとき横尾君主導で進行して、Ableton LIVEでやったけど、「これはすごい、ほんとに楽だぞ。。」って思ったもん。

■ははは、そうなんですね。確かに驚いてたよね(笑) アナログな手法で手間をかけたポイントとして、64曲のサンプリングソースに対し、サンプラーであるAKAI MPCのPAD 16×4=64に割り当てたラップのフレーズをミックス上にはめ込むという手法は新しいタイプかと思うけどサンプラーとか機材に対して特別な思いがあるからこの様な作品になったの?

レアな音源のミックスとか、スキルフルなミックス、はたまたスムースなミックス、は自分よりもっとうまくやれる人が沢山いるし、なんか別の手法で面白いことやりたいなぁと思ってて。
あと、僕自身が他の人が作ったミックスも好きだし、マニアみたいなところがあってミックスを聞いてて一番興奮するのって、知識とかをこちょこちょされる瞬間で、わかるかな?
こちょこちょされる感じ。例えば、KING OF DIGGIN’を最初に聞いたときって、「あっ!このフレーズ知ってる!あぁ、元々はこういう曲なんだぁ。。」って感覚の連続だったでしょ?
あれがその感覚で、、それを一歩先に進める感じで出来ないものかな?と。で、一瞬ラップ曲のフレーズが入る、「あれ?このピアノのフレーズ?ん?このラップ?ん?あー!」みたいなのを狙いたくて。
狙い通り出来てるのかわからないんだけど。

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■くすぐられながらも、アンサーへ導いてくれるあたりで「あー!」ってなることも多かったし、狙いどうりかと思うよ。

だといいんだけど。。あっ、質問とちょっとずれましたね。MPCには思い入れは当然あるんで、16PAD×4BANK=64って数字も最初から意識して作り始めてて。
ただ、本当はもっと密度濃く、128PADって、MPC2台を使ったみたいな感じにしたかったんだけどそれはさすがに慌しい展開になるのでやめました(笑)
だから、今回のと同じ年代とかでネタはまだまだあります。しばらくやりたくないけど。

■MPC2台ってことは相当機材好きじゃないと出ない考え方ですよ。ちなみに今、持ってる機材って何がある?

ハード機材は大好きで今やガラクタみたいな値段で当時の個性的な機材が買えるから、増える一方ですね。。。
楽曲制作のメインはAKAIのMPC2000XLS950、E-MUのSP12ですかね。一台では出来ない事を複数機で補い合ってる感じですね。制作中の部屋は、機材が過熱して結構熱くなります(笑)。あとインテリアとしても最高にかっこいい3台です。
あと、昔ちょっと使ってて、また最近おもしろいなぁと使い始めたのがZOOMのST-224ってサンプラーで、量子化ノイズみたいなの乗るし、独特の質感になるんで。

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■このミックスの中で使用されたレコードの中で一番高いレコードは?購入のルートは?

基本的に安いレコードばっかりです。横尾君よくわかってると思うけど。
500円とかで買えるレコードが7割位じゃないかな?
高いレコードはこの中で言えば。。。やっぱり人間発電所ネタじゃないですかね。群を抜いて高いのは。
買った値段は言わないけど、RYUHEIさんの働いてらっしゃるUNIVERSOUNDSで、
壁レコで初めて見て、実物初めてみたから「おお!」って、試聴して、お金おろして、試聴して、一旦キープしてもらったけどキャンセルして、また試聴して。。。
を何度も繰り返して悩んだ結果買いましたね。完璧に変態行動でしたね(笑)

■今回は僕のレーベルというかアーカイブ・サイトって呼んでるんだけど”PAY ME”からリリースしたいと思った理由はあるの?

横尾君のサイトからちょっと前に発売した「Legend of japanese Hiphop Flyer」と内容をリンクさせて、
同時発売したいってところがあって。
あと新たにKATA&Time out Cafeで始めた「DJ’s StyleBook」ってパーティーの初回にDJ Ken-Boさんとtsutchieさんを
呼べることにもなってたし、お二人は本当に90年代のキーマンでしょ?で、そのパーティーのタイミングで同時にPAY MEからリリースしたいな、と。
PAY MEのアーカイブサイトの位置づけともリンクしてると思ったし。

■全部リンクしてますもんね。その方が強大になるし、面白いですよね。

あとこれが大きいんだけど、いろんな意味で「やりたい、やれない」みたいなことを繰り返してたミックスの内容で、
もうね、一人でやろうと思っても完成まで追い詰めきれないのはわかってたし、横尾君と切磋琢磨しながらだったらタイトなスケジュールでもやりきれるかな、、、と。
あとは96年の”さんピンCAMP”、”大LB祭り”からちょうど20周年だしね!当時からファンによるこの節目を振り返る内容って、思ったより誰もやらなかったよね。。

■知らないだけかもしれないけど、20周年だぞ!って振り返って作品にしてた人はいなかったね。もっと盛り上がると思ってた(笑)
これは聞いてみたいんだけど、僕がキャッチとして付けた”サンクラ・アイドル”ってどう思ってる?

どうも思ってません。呼び名をつけてくれるのはありがたいですよね。。多分定着しないと思うけど。

■定着させてきましょう。今後の活動とか次回作の展望とかって教えてもらえる?

2016年9月1日にDOTAMAとのダブルネームEP“DIRECTORY”をリリースしました。
DOTAMAのフリースタイルダンジョン出演前から進んでいた話で、そのころ作った曲とかもあって、今のDOTAMAの立ち位置考えると、とても面白いトピックもあるし、良い内容と思ってます。
あとは、皆さんが望むのであれば、今回の第2弾はやりたいですね。。しばらくやりたくないけど。
MOUSOU PAGERですよ。全精力を傾けてやってますよ。まだ、言えないのかな?特典の副音声ではちょっと触れてるけど。やってる自分たちが驚いてる展開がありますね。
あとは、さっき話した「DJ’s StyleBook」も面白く展開したいですね。

■最後に、この作品に興味を持ってくれた皆様にメッセージをお願いいたします。

興味をもっていただいてありがとうございます。これまでサウンドクラウドのミックスを聞いてくれた方も楽しめるんじゃないかな?と思ってて。あと、やっぱりPAY MEからのリリースってことで、物としてもこだわりたいなぁと、ジャケット作ってくれた2G in da house君にも色々無理言ってやってもらったところもあるんで、是非CDを手にいてほしいな、と。あと、これまで通りサンクラアイドルとして、フリーのミックスも継続します!

DOTAMA-Kuma-The-Sureshot-『DIRECTORY』

 

Text by Sir Y.O.K.O.PoLoGod.