【FRANK WEDNESDAY】MADE IN AMERICA:
ART FROM THE PENITENTIARY

【FRANK WEDNESDAY】MADE IN AMERICA:
ART FROM THE PENITENTIARY

メイド・イン・アメリカ:カリフォルニアの服役囚たちが作るアート

Words by OG Lepke
Artwork Various Incarcerated Artists Courtesy of SA Studios

カリフォルニアの刑務所はアーティスティックな奴らで溢れ返っている。ヤードには色々な技術を持っている奴らがうろついていてあらゆる事が行われている。刑務所内で入手出来る材料のみで作るワイン、プルーノを作るスキルを持っている奴、タトゥーやパニョスと呼ばれる絵が描かれたハンカチ、封筒の挿絵などを手がけけるアーティスト達も居る。新しいシーツを使ってショーツに縫製してシーツ生地で出来た白いショーツを履いて歩き回る奴の事も知っている。みんな何かしら自分だけのスキルを持っていて、刑務所ではどんな事でも誰かしらそれを実行できる奴が絶対に居る。俺の知り合いの白人の奴はミルクを使ってチーズを作る事が出来る。刑務所にいる時は一日中座っている事しかできないし、次の一手を考える時間しかないんだ。だからその時に、受刑者それぞれの間で個性的で優れた技術や才能が開花し始める。

封筒アート

封筒は鉛筆で製作されていて、とても細かいディテイルまで描かれている。受刑者によるプリズン・アートには、続けて使用されるテーマやイメージがある事に気づく。刑務所である事から格子、美しい女性、そして悲しむ男とハッピーな男が居る、このハッピーな男は受刑者が刑務所で服役している間シャバに居る恋人の世話をする男でSanchoと呼ばれ猫として描かれる事もある。

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LAの南部のギャングはアステカの伝統を受け継ぐ為、鷲として描かれたアステカの戦士が多く見られ、鷲やヒョウはギャングメンバーの地位を示す。南部のギャング、Sureñoにとってこの古代アステカの信仰は絶対で、これらの封筒アートのディテイルの細かさがその信仰の深さを物語っている。ヒョウの戦士や真の戦士のみが身につける事が出来る聖なる盾などのイメージはタトゥーとしても見る事が出来るが、誰でもそれを彫れるわけではない。もしこのような図柄のタトゥーが新入りに彫られている場合は自分で自分の身分を証明する事が必要となる。つまり、この様な図柄は長い服役を命じられた、本当にギャングに貢献した奴しか彫る事を許されないタトゥーの図柄なのだ。

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タンブラー・カップ

コンクリートに擦りつけて裁縫用の針くらいまで研ぎあげたピンを使って製作されている。本を束ねている鉄のホチキス部分を使う場合もあるが、とにかくプラスチックのボールペンの内部のチューブに入れる事ができる物体であればなんでも使用可能。ボールペンのチューブを溶かし研いだピンと結合させ、のみの様にして使う。誰かに図柄をまず描いてもらいそれをカップの内側に貼って動かない様に靴下をコップの中に詰める。コップは半透明なので、この図柄に沿って表側をのみを使って彫っていく。図柄が完成したら、コップの表側にタバコの灰または、靴墨など黒い物を塗り込むと完成する。この半透明のタッパーウェアのコップが刑務所で販売しなくなってしまった為、現在ではこのタンブラーは製作されていない。

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パニョス

パニョスはアーチストが描くコラージュで、製作に時間がかかる為手に入れる事はかなり難しい。
アーチストの好きな物を自由に描いていくパニョスだが、刑務所の風景が描かれている事もあれば、シャバの風景が描かれている事もある。自由、街、女性そしてカルチャーなど、様々な物が描きこまれる。
全てボールペンとボールペンのインクだけを使った手書きの一点物を作者が時間をかけて作っている。

PA4 Pina1

これらは刑務所でのみ服役囚によって作られていて、ストリートの出来事とLA南部のギャング・カルチャーについてのイメージが多く、作者もそのカルチャーの当事者である事が多い。作者が自分の友人たちや家族とシェアして楽しむために作っているので市場に出回る事はないが、もし欲しい場合はパニョス作者を突き止めどんな物が欲しいのか伝える必要があり全てが儀式的に行われる。友人の釈放祝いの品として作成される事もあり、心からの友人との深い絆などを題材にした物が多いので、時間を使って作成されるためしばらく待つ事が殆どだ。

ORIGINAL ARTICLE by FRANK151
Curated and Translated by Akeem the Dream