【FRANK FRIDAY】
ECD / Three Wise Monkey

【FRANK FRIDAY】
ECD / Three Wise Monkey

2015年にリリースされたベテランラッパーの作品で唯一”尊敬”の枠を広げてくれた一枚。

 

ECD_THREEWISEMONKEYS_JK

決して媚びることのない驚愕のソロマイカーECD、17作目にして渾身の最高傑作だろう。

ECDらしいスリリングなイントロから一転、2015年にしてアフリカバンバータのクラシックス『PLANET ROCK』 を昇華した様な今までに聴いたことの無いようなサイケデリックなエレクトロビーツの上で言葉の刀を振り回すM1「1980」。

ストリングスにファストドラム、Joey Bada$$もついラップしたくなってしまうであろうAmen Break的なビーツが最高なM2「LINK」。

リリックビデオも公開されているM3「LUCKY MAN」のタイトルを見てスチャダラパー “ついてる男”を思い起こしたが、ECDらしいユーモアからシリアスを生み出す流れは全く新しいものだ。『本当のことしか言わないぜ俺は マジで昔JRAP 殺した男』等の生き様そのものとも言えるパンチラインが満載だ。リリックの素晴らしいさをゆったり堪能でき、語りかけながら答えを弾き出すライミン術は他を寄せ付けることのない唯一無二な名曲として語り継がれるであろう。

M4「DAMARANE」は不規則にエディットされたサイケデリックな多重ビーツに死んでもマイク持ち続けると言う強い意志が見事にハマっている。ここから受けた印象として、ECDは家にいる時、ライブ中だろうとデモ中だろうと見て感じる事が人一倍多く、それをスムースにラップで吐き出す才能に長けているのだろう。M5「DANCE」はそんな視点を見事にビートにのせラップしている。

M7「MUDANATEIKOU」はラップで物事を伝える楽しさ、ヒップホップは常にフレッシュであることが大切だと訴えかけ、生半可なラッパーはワックだと言い放つ。この曲は和製KRS-ONEさながら2015年に重要なメッセージを導き出したハズだ。

M9「REST」はメロディアスなビーツの上で人生を語り、体験の中から滲み出した結論『真似をしなくていい、しんどいなら一回休め。無理をするな、人生は挽回できると生き様を滲ませる。』のワードが心に響く。


そしてラストチューンとなるM10「HANSEI」は本作で私が一番のお気に入りとなった曲なのだが、曲中でECD自身が唯一反省していると述べている「大した金ない奴相手に売ってきたCD」に対して今後はたんまり金を持ってる爺婆から綿密に計画を練って金を払わせろと導き、2vers目では2015年時点の底辺な社会生活を総括しマシンガンのように吐き、鬼気迫るラップが素晴らしい。最後まで手は抜かないと高高と叫ぶECDにこの曲でさらなる尊敬の念をを抱いた。なんといってもラストの2分40秒間はメインボーカルが先にステージから去り、バックの演奏だけになり終わりが恋しくなるような印象的なアウトロに展開する。この曲の様に後半に展開が待ち受けているHIPHOPはあまり聞いたことがない。全編に渡りその様な効果が多用されているが、この辺はプログレッシブロックに精通するIllicit Tsuboi の感性も加味され、プログレッシブなヒップホップとしても驚愕の完成度誇っている。圧倒的な一枚。


TRACK LIST :
1. 1980
2. LINK
3. LUCKY MAN
4. DAMARANE
5. DANCE
6. YOSOMONO
7. MUDANATEIKOU
8. METSUKIWARUIOTOKO
9. REST
10. HANSEI

_LINKS

Text by Sir Y.O.K.O.PoLoGod.