【FRANK FRIDAY】
A Tribe Called Quest
We got it from Here…
Thank You 4 Your service

【FRANK FRIDAY】
A Tribe Called Quest
We got it from Here…
Thank You 4 Your service

再結成したグループやソロアーティストが10年数年ぶりにリリースすると言うニュースは個人的に期待感はほとんどない。すでに多くのアーティストがカムバック作品をリリースし、大体が不発に終わることが多いと思っているからだ。先日、11/11にアルバムをリリースするとアナウンスをした伝説のラップグループA Tribe Called Quest(以下、ATCQ)にも驚きはしたものの作品に対する期待感はさほどなかった。ただ、D’Angeloの2014年リリースのニューアルバムは全てにおいて完璧なカムバック作となっていたのでATCQのプロダクションを務めていたD’Angeloも所属するThe Ummah周辺絡みでもあるATCQの数年ぶりの新作と考えたら期待感とはまた違う、使命感に近い感覚でリリースを待つようになっていた。リリース日が近づき、まだ完成していないとの情報が舞い込む中、昨年に亡くなったPhife Dawgの世に残されたバースがどのような形で曲になるのかが気になり始めていた矢先、ATCQの新作は11/11になると同時にストリーミングサービス “Apple Music” , “Spotify” へ予定通り、無事ドロップされた。レジェンダリー過ぎる存在を前に恐れ多いがATCQ、18年振りの新作にしてATCQのラストアルバム”We got it from Here… Thank You 4 Your service”をレビューしてみよう。

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A Tribe Called Quest / We got it from Here… Thank You 4 Your service

パッとitunesを開いてトラックリストを確認してみたら曲がLPレコードのように全16曲がA面、B面で分かれている独特な演出が平面的なインターネットに対して視覚的な仕掛けを儲けているのだろう。
M1”The Space Program”から前作The Love Movementから続けて聴けるような実にThe Ummah的な空間系トラックが掴みとしては抜群に良い。古典的ドラムブレイクが太いBoom Bap M2 “ We The People….”はATCQらしく中盤からのPhifeとのユニゾンもファンには感動ものな作品となっている。ATCQの今までの過去作品で随所に聴けるビート感としてReggaeがあるが今回もM3、M10 etc…DUB要素の強い楽曲が多数収録されている。今作で話題作となるだろうM4”Solid Wall of Sound”はElton John / Bennie and The Jetsの1節をサンプリングした独特なRAW感を生み出した傑作。盟友Busts RhymesとQ-TIPの倍速ラップがメローなトラックに映えている。M6”Kids… ”はゲーム音楽の様な8bit風味なシンセがシンプルなコードで展開されるビートが面白い。久々に登場した感のあるOUTKASTのAndre3000が参加。前半のラストとなるM8”Enough!!”はメローなウワモノにBonita Applebumでお馴染みなネタをスクラッチでハメてくる辺り、ATCQらしい遊び心が見えて好感が持てる。

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そして後半に流れ込むが、後半だからといって特別流れに変化がある様には感じないが、客演陣がだんだんと豪華になっている。
こちらもATCQ、Q-TIPならではの組み合わせが新鮮なM11”The Killing Season”はKanye West、Talib Kwelliが参加。
こちらはトラックに新しさは感じないが2008年頃のKanye的な美しいメローさ、フックの気持ち良さは素晴らしい。
今作は全体を通して新しさよりも懐かしさが先行するのだが、多少新しさが見え隠れする箇所がある。
それはハイハットのパターン。M8にも見られるが、M13”Movin’ Backwards”もトラップによく使われるハイハットのパターンが施されている。新しさついでに2015-16年のフレッシュマン、Anderson Paakのフレッシュさがこの曲を素晴らしいものにしている。
正直な所、ハイハットが安っぽさを生んでしまうので残念だ。日本人になら誰しもが気になるタイトルを持ったM14 “Conrad Tokyo”は世界の要人が宿泊する高級ホテルであるコンラッド東京を引用したPhifeのリリック“Conrad Tokyo, a far road, pistachio”から派生した曲の様だ。Kendrick Lamarと共に
アメリカの政治的な情勢を歌ったタイムリーなタイトルだ。ATCQ節なベースラインが光るM15”Ego”を超え、Phife Dawgの追悼曲的なイメージを持った泣きのラスト”The Donald”(Donald Trumpもかかっている?)で幕を閉じる。

発売から数時間、数回の試聴では到底知ることのできない奥深さを感じるアルバムだろう。パッと聴きではなく何度も耳にすることで馴染み、様々な思いがこみ上げてくるので長く、ゆっくり聴き進めることをお勧めしておこう。すでにリリックサイト“genius”でリリックが公開されているのでチェックしながら聴き、さらに深くATCQの世界観にハマってみようと思う。

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世界中のグラフィティーアーティストにATCQの壁画をプロモーションの一環として依頼していた辺りもQ-TIPのATCQへの愛情、意気込みを感じることができる。Instagramのハッシュタグ #ATCQ2016 をチェック。

#ATCQ2016 #manhattanrecords #udagawa #taboo #SBY #tokyo #japan #atribecalledquest

Sir Y.O.K.O.PoLoGod.さん(@siry.o.k.o.pologod)が投稿した写真 –

#ATCQ2016 Oslo, Norway – @miknog ATCQさん(@atcq)が投稿した写真 –

#ATCQ2016 – London, UK – @diabolicalest93

ATCQさん(@atcq)が投稿した写真 –

tracklist:
1. The Space Program
2. We The People….
3. Whateva Will Be
4. Solid Wall of Sound (feat. Busta Rhymes)
5. Dis Generation (feat. Busta Rhymes)
6. Kids… (feat. Andre 3000)
7. Melatonin
8. Enough!!

1(9). Mobius (feat. Consequence & Busta Rhymes)
2(10). Black Spasmodic
3(11). The Killing Season (feat. Kanye West & Talib Kweli)
4(12). Lost Somebody
5(13). Movin’ Backwards (feat. Anderson .Paak)
6(14). Conrad Tokyo (feat. Kendrick Lamar)
7(15). Ego
8(16). The Donald

Text by Sir Y.O.K.O.PoLoGod.