【FRANK FRIDAY】
あべともなり / 大地讃頌

【FRANK FRIDAY】
あべともなり / 大地讃頌

ひとえに”HIPHOP”、”RAP”と言ってもタイプは様々。
そのワードにど真ん中があるとしたら最新のビートを使用したメインストリーム、
オーセンティックなスタイルだが時代に沿った歌詞、内容が広く人気を博すHIPHOPが
軸となるのかもしれないが、決して商業的にならずど真ん中から(意識的or無意識に)外れた
HIPHOP、RAPPERが面白いのもHIPHOPの醍醐味の一つでもある。
もちろん全てが面白いわけではないが、クォリティー、ムード、こだわり、バランス、突き抜け方に
フックがあるかどうかが自然と個人的な優劣の判断基準となっている。

人間それぞれ個性があり性格が違う様に個性的な思考を持ったラッパーもまた多いがその中でも
特異だと思われるラッパー”あべともなり”の数年越し、初ソロ作品”大地讃頌”をご紹介。
あまりの勢い、圧に失神してしまう方もいるかもしれないので心臓の弱い方は観覧に注意が必要としておこう。

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あべともなり / 大地讃頌

”あべともなり”、なんとも純和風な名前だが彼はブラジル人の母を持つハーフ。
見た目は目鼻立ちがはっきりとした濃い顔の男。只者ではない風貌だが
彼の特徴はヴィジュアルだけではない。外国語訛りの効いた発音、
ハードコアのボーカル顔負けの野太い声で勢いよく野生を剥き出しにスピットする。
この字面だけ見ていると、叫び散らす様なラッパーかと思う方もいるかもしれないが
ワイルドな中に繊細さを垣間見せる瞬間もありラップはスキルフル。

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彼を語る上で欠かせない作品は4年前に突如You tubeに公開された「ヨルナンデス」。
近年では多作かつベストな日本人ビートメイカーとも言えるjjjによるタフなビートに
溢れ出す様なパッションで高知能な犬みたいな視点で展開していく刺激的な名作だ。
よくわからない例えかもしれないが彼の野性味は動物的な視点から呼び起こされているものだろう。

この作品は6曲入りだが、RAPとJUKEの架け橋となった歴史的作品”160or80″で披露された
猫の視点で生み出された傑作M6”産みの悦び” prod. by 食品まつり以外の5曲は数年前の
jjjのトラックとなっていて全く古びないセンスに驚かされる。リリース後にMVが発表されたM1”地下資源”も
段違いなレベルのビート上を壮大な自然をテーマに前代未聞な境地をホラーコアスタイルでRAPしている。
その他も犬猫であり、鳥であり、ゴリラであり、穀物であり、人である。とにかく森羅万象、彼は地球の様だ。

 

とにかく、この様な風変わりであるがこれもストレートなヒップホップの形でもあると思っているので
これを機に気になった方は是非チェックして見てほしい。彼の人間性や風貌、世界観を堪能できるアートブックもセットとなっているのでそちらも楽しんで見てほしい。

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トラックリスト

1.地下資源
2.大地讃頌
3.すべての美しい猫
4.ヨルナンデス
5.猿脳 feat.儚屋玲志 a.k.a CASPERR ACE
6.産みの悦び

Text by Sir Y.O.K.O.PoLoGod.