【FRANK FRIDAY】
ROCKASEN / Two Side of

【FRANK FRIDAY】
ROCKASEN / Two Side of

a3009477879_10
ROCKASEN / Two Side of

 

2010年にライム巧者として、玄人までをも唸らせた1stアルバム「WELCOME HOME」をリリースし、6年振りの新作を2017年2月17日にフリーダウンロード・アルバム「Two Side of」としてリリースしたROCKASEN。彼らは千葉県の栄町出身のラップグループ。ラッパーはTONANとISSAC、そしてDJ、トラックメイカーは2014年頃から新規加入しているBUSHMINDの3人組だ。1stアルバムのリリース後は客演曲が数曲があるもののまとまったリリースは無かったが長年新作が熱望されていたグループの一つだろう。

数年前、加入したばかりのBUSHMINDと交わした会話の中でROCKASENのリリースの話題になった際、「彼らは家庭、生活があって中々作れないけど俺がハッパかけて作りますよ」と力強い言葉が印象的だった。制作期間2年ほどでリリースまで漕ぎつけた訳だが、この”生活”はアーティスト活動に非常に重くのしかかる場合がある。

スクリーンショット-2017-02-17-17.00.51

生活、環境等の変化、時間の流れに身を任せて過ごしているとあっという間に時間は過ぎていく。
隙をみて行動しようにも前には進まない。自らを奮起させようと試みても、大地から水が湧き出るように次から次へと課題は生活を埋め尽くす。時には雁字搦めになってホールドされてしまうことが多々あるのだ。
そこで第三者の助けが必要な時がある。突き動かされたり、自分にとって足りないことを補ってくれたり、刺激が新たな原動力になることがある。私個人も生活に追われて身動きできない時には信頼の置ける友人や先輩には救われることも多いが、ROCKASENの中ではBUSHMINDが一役買っているのだろうと思う。

 

アルバム全体を覆うドリーミンなメロディーに低音の効いたボトム、TR-808の音色が印象的なBUSHMINDのビート群は唯一無二。等身大な”LIFE”を時にストレートに、時に比喩で巧みにフローする2人のラップも素晴らしい。ヒップホップの枠に止まらずテクノを始めとする彼らのルーツを昇華した幅の広い音楽性と詰まりに詰まったパッションが完璧に合わさったハイクォリティな作品だ。マスタリングを手がけたNAOYA TOKUNOU、1stアルバム、WD関連作品など数多くのアートワークを手がけているWACKWACKの仕事も見逃せない。録り貯めたデータを消失するトラブルに見舞われた経緯もあるそうだが無事にリリースされたことに感謝したい。